伝わらないのは中身のせいじゃない。相手の頭に、絵が浮かんでないだけだ。
INTROどんな本か
さてさて、ひとしきり説明し終わったあとに「で、結局なんの話?」と返される。あれ、地味に効きますよね。
白状すると、俺は2020年の目標に「文章を短くまとめる」を入れていた人間です。放っておくと長くなる側。笑
この本の出発点は一つだけ。聞き手は話を聞きながら、言葉を頭の中の映像に置き換えている。頭の中にテレビ画面が一台あるイメージです。だから話し手の仕事は、正しいことを言うより先に、相手の画面に絵を映すことになる。
著者は「TALK&トーク話し方教室」を主宰する野口敏さん。教室を30年続けてきた人で、感覚でやってきたことを言葉にするのに、本にすると決めてから3年かかったそうです。2017年の『結果が出る! 超一流の伝え方』を改題し、加筆・修正したPHP文庫。
中身は拍子抜けするほど地味です。文を「。」で切る。間を自分が思う2倍とる。相づちを待つ。大事な言葉だけ強く言う。言いたいことを一言に絞る。結論と数字で話す。全4章、ほぼこれだけ。
ただ、その地味さを、冒頭の単語で止めて2秒ほど相手の顔を見る、というところまで動作に落としてある。ここが強い。読んだその日から真似できる説明術は、そう多くない。
この本でいちばん大事なのは、第4章の、「結論から」は相手が知らない話では通用しない、という一節だと思う。俺が「正解が早すぎる社会構造」で書いた話と、根っこは同じです。中身が正しくても、届く順番を間違えたら届かない。伝わらないのは、中身の問題じゃない。順番の問題だ。
もうひとつ。俺はLIMITSで、作品のあとのプレゼンをやめた。描くことと話すことは別の能力で、話すのが得意な人が、作品と関係ないところで有利になっていたからです。裏を返せば、話す力はそれだけ結果を左右する。この本は、その別の能力を、才能じゃなく練習できる動作として分解してくれる。
商談、報告、部下への指示、引き継ぎ、朝礼、結婚式のスピーチ。口で何かを渡す場面なら、だいたいどこかが効きます。
うまい人の「なんとなく」を、手順に直した本。説明が苦手な人ほど、この地味さに助けられると思う。
CHAPTERS章ごとの中身
第1章聞き手は言葉を映像に変えて聞く
第1章の最初の項で、この本の芯はほぼ出そろいます。人は話を聞きながら、言葉を頭の中の映像に置き換えている。話し手は自分の頭にある映像を言葉にし、聞き手はそれを自分の画面に映して、理解して、覚える。ところが多くの人は、この仕組みに気づいていない、と野口さんは言う。
例がうまい。「北海道でゴルフをした」。これだけでも景色は浮かぶ。そこに、広いコース、青空、風、近寄ってくるキタキツネ、と短く足していくと、絵がどんどんはっきりしてくる。凝った美文はいらない。足すのは、画面に映るものだけです。
映像にするのが苦手な人が多いのは、テレビや動画で映像が勝手に入ってくる環境のせいかもしれない、という見立ても面白い。鍛え方は、人の話を聞くときに映像化を意識する、テレビを画面を見ずに音声だけで聞いて場面を想像する、小説を読む。お手本は、絵本を立体的に思い浮かべる幼児だそうです。
伝える技術とは、聞き手が楽に映像化できる話し方のこと。この定義を一度入れておくと、この先の技術は全部「相手に絵を描かせるための工夫」として読める。本業がデザインの人間からすると、これは紙面のレイアウトを耳でやる話に近い。
第1章文は「。」で切り、間は2倍とる
分かりにくい話の典型は、句点なしで「〜けども」「〜なんですけど」と重ねていく話し方。本書の例は、食品会社で営業をしている、以前は別の会社にいた、当時は説明が通じた、今の会社では分かりにくいと言われる、の4つの文です。分ければすっと入るのに、つなぐと聞き手は4つの場面を同時に浮かべるはめになる。
ここで出てくる「保留箱」というたとえが分かりやすい。文が終わらないと、聞き手はその中身をいったん保留しておく。保留が重なると小さな箱があふれて、全部捨てられる。これが「分かりにくい」の正体。とはいえ全部を一文ずつにする必要はなく、出だしと大事なところだけ丁寧に区切ればいい、という線引きは現実的です。
次が間。早口の人は、自分が映像を描く速さで話してしまう。本人はもう知っている話だから、興奮してさらに加速する。一方の聞き手は、初めての情報を絵にするので追いつけない。上手な人は話す速度が遅いわけじゃなく、苦手な人が思う2倍ほどの空白をとっている。
スピーチ本は「間をとれ」とよく言うけど、何のための間かを説明しないから、形だけの間になってタイミングがずれる、という指摘も鋭い。間は、相手が絵を描くための時間。早すぎれば描けないし、遅すぎればじれる。
最後に視線と相づち。話が苦手な人は自分の描く世界に没頭して、目が聞き手からそれる。聞き手の「はい」「ええ」は絵が浮かんだ合図だから、それが完全に終わるまで次をかぶせない。短い文、間、視線の3つで話は劇的に変わる、というのが第1章前半の結論。文章を短くまとめるのが目標だった2020年の俺に、まず読ませたい章です。
第1章つかみは3つ、長話の原因は2つ
つかみの話は、バラエティ番組の影響で、まず笑いをとりたいという相談が多い、というところから始まります。コツは3つ。①その場の顔ぶれに共通するネタ。セミナー講師向けの講演で、「広告費ゼロで満席にする集客セミナー」の記事が実は広告だった、という話で大笑い。②参加者が内心「そうだ」と思っていること。税理士向けに、毎月の顧問料に加えて決算申告料も別に取るのは、と振ると大爆笑。③遭遇したばかりの旬の話。駅で外国人の男の子に難波行きを聞かれ、慌てて指した電車が正反対の千里中央行きだった。
同じネタでも主婦向けなら反応は薄いはず、とちゃんと書いてあるのがいい。つかみはネタの面白さじゃなく、相手選びで決まる。
話が長くなる元凶は2つ。ひとつは不安で、伝わったかどうか心配だと、同じことを繰り返す。もうひとつが自己顕示欲で、著者はこれを「魔物」と呼ぶ。ビデオ教材をDVDに切り替えるか迷っていた頃、業者に値段が上がるかを尋ねたら、仕組みやコピー防止技術の説明が25分続き、答えは「同じ」だった。疲れ果てた著者は、別の業者と契約したそうです。
業者も不要な説明だと分かっていたのに、知識を披露したい欲に負けた。医療・化学・電気・法律のような専門性の高い分野ほど陥りやすい、という指摘つき。相手の表情を見て、ピンと来ていなければ、この説明は要らないのでは、と立ち止まる。専門家ほど耳が痛いやつです。
第1章情報より体験、自己紹介は失敗談
「情報」ではなく「体験」を伝えろ、という項。30代の経営者が、社員20名の会社を経営していて、最近3名が続けて結婚し、全員の披露宴でスピーチする羽目になった。これを区切って話すと、聞き手は文ごとに「若いのに」「おめでたい」「それは大変」と別々の感想を持つ。一文ごとに一つの気持ちを味わう。それが体験で、重なるほど印象は強くなる。
ただし、短文と間だけを真似ると、ぼそぼそ途切れるだけの話し方になる、と釘も刺している。原因は、伝えたいという意思が抜けていること。頭の中の映像と、そのときの気持ちを味わいながら話せば、感情は自然に声に出る。短文、十分な間、視線、感情で話して、相づちが返ってくる。この往復を、著者は「コミュニケーションブリッジ」と名づけて商標登録までしています。
聞く側の練習も入っている。朝礼や式のスピーチを聞くときに、話し手の間に合わせて小さくうなずく。相づちのタイミングは、そのまま自分が話すときの間になる。
自己紹介は、勤務先・家族構成・趣味の羅列では誰の記憶にも残らない。知りたいのは人柄だから、ちょっとドジな失敗談がいい。上司の「盗めるものは盗め」を聞き違えた例が載っていて、自慢話は逆効果だとはっきり書いてある。
俺が2021年に自分の連載を「どうも口だけ番長です」で始めたのは、どうやら間違ってなかったらしい。笑
第2章キーワードだけを間と強さで目立たせる
第2章の前提は、聞き手は基本ぼんやり聞いている、という身もふたもない現実。だから全部を力説せず、キーワードだけを飛び込ませる。スウェーデン人と日本人の80歳時の残存歯数(20本対8本、差はメンテナンス)という短文を、普通の組版とキーワードだけ大きくした組版で3秒ずつ見比べさせる実験が載っています。
技術は3つ。冒頭の単語で止めて、2秒ほど相手の顔を見る。重要語の前で息を吸って間を作り、後にも間を置く。重要語はゆっくり強く、ほかはさらりと。お手本はテレビの分かりやすいコメンテーターやお笑い芸人。著者が研修した歯科医院では、この言い方の練習を重ねた結果、半年でメンテナンス患者が380件から520件に、自費治療率が18%から40%になり、治療の中断率は半減した、と著者は報告しています。
数字より俺が大事だと思うのは、衛生士が「どうせ断られる」という恐れから解放された、という一文。言い方の型が先にあると、人は怖がらずに言えるようになる。
なんでもないことをすごそうに話す練習もある。TEDでウィル・スティーブン氏が、話すことは何もないと言いながら、間と抑揚だけで聴衆を魅了した例。教室では、日付のような平凡な事実を大発見みたいに言わせるそうです。メリットは小分けにして、焼き鳥なら塩味、大ぶり、ビールに合う、と一つ言っては間を置く。
後半は、話のうまさの基準は成果だけ、という言い切り。代表はジャパネットたかたの高田明元社長で、差は自分で仕入れ値を付けた商品への思いだ、と見る。もうひとつがワンワードで、小泉純一郎氏の「郵政民営化」、橋下徹氏の「大阪都構想」のように一つの言葉を繰り返す。介護施設紹介業の生徒が自社を「介護施設の保険の窓口」と言えるようになり、ゴルフ仲間経由で病院事務長から大型案件が来た、という例つきです。
第3章テーマを一言に絞り、具体例で人を動かす
第3章は、伝えたいことを一言にできる人はまれ、という入り口から。成年後見制度の講演を準備する司法書士は、問答を重ねるうちに、本当の目的は講演後の無料相談会に来てもらうことだと気づく。
探し方は聞き手の利益から。候補を1行ずつ紙に書き出して眺め、聞き手がいちばん知りたいこと、得することを問う。生前整理アドバイザーの女性は、遺族の手続き期間を30日から10日に縮める作業、と言い換えて人気講師になった。見つけたら、それ以外は切る。5日間充電不要のスマホなら、売るべきは便利さだけで、社史も開発秘話もいらない。
不動産営業の男性は、雑談から入るのをやめて、付加価値を付けられる安い土地を探している、と目的を言い切った。年間取引高が1500万円から3億円になり、後に20億円の契約も成立したとされています。成果の数字は著者の報告なので、そこは割り引いて読むのが誠実だと思う。
話が脱線したら、結論でメインテーマに戻す。先の司法書士は本題を最後に少し添えただけで、25人中2人しか相談会に残らなかった。健康寿命や認知症の話のたびに相談会へ戻し、15分に1回くらいなら押し売り感も出ない、という手直しです。
後半は人を動かす材料。渋滞予測カーナビの技術者は、機能ではなく、5キロ先の渋滞を知らせて信号で左折を勧め、5分縮める走行場面を語って役員を引き込んだ。「営業力がある」も、車を売った後も通い、日曜に家族と親しくなって紹介をもらう人、と「例えば」で言い換える。抽象語だけだと意図の1割も届かないことがある、という指摘は重い。
俺は2020年に、自分の仕事を「抽象的なことを具現化する」ことだと書いた。人が何となく考えていることを、見えるようにする。「例えば」は、その一番小さい単位だと思う。
最後は感情。法話が届かないと悩む30代後半の住職に、著者は、言葉で説くより想像の中で故人を偲んでもらうよう助言した。一番の思い出を問いかけて間を取り、わだかまりのある人には恨みも吐き出していいと伝えたら、参列者が涙し、法要以外の参拝も増えたそうです。
第4章結論から。ただし相手が知らない話は別
第4章はビジネスの説明。仕事ができる人は短く、結論から話す。指示のコツは4つで、指示の数を先に言う、「あなたがするのは」から始める、一つずつ区切る、理由は最後。最大の誤りは、相手が全部聞き取れると思い込むことだ、と。
結論の抜き出し練習の例がリアルです。部品10万個を単価250円・7日で調達せよ、と言われた。タイ工場は他社の大口注文で5万個しかなく、中国工場なら275円で5万個確保できる。電話の経緯から話すのは下手で、上司が知りたいのは揃うかどうか。タイ5万と中国5万で調達可、中国分は予算を125万円超える、と先に言い、理由は後に回す。
で、ここからがこの本のいちばん誠実なところ。「結論から」は、相手が知らない話では通用しない、と自分で書いてしまう。新人に顧客管理を任せるとき、作業を並べるだけだと、新人は月1回訪問して不具合を聞くだけになる。先に、顧客を他社に奪われないよう気を配りつつ新規注文を取る仕事、という全体像を見せる。枠がないと想像は散らばる。大阪の地下鉄の通勤事情も、路線の端や始発駅という前提抜きで話したら、地元以外の人には通じない。
俺は自分の性格を「なんでもはっきりしたがる」と書いたことがあるくらいで、つい結論から言いたくなる側。だから、ここは刺さる。正しい結論でも、相手の頭に置き場所がなければ届かない。順番を決めるのは話し手の都合じゃなく、相手の頭の中だ。
数字の使い方も具体的。競合店の客入りを「けっこう」と答えると上司は怒る。10〜11時に数えて120人、通常の3倍、と言えば対策が立つ。円高時のドル建て保険は、1ドル100円で買って110円・125円になったときの利益額を、100万円の契約で示し、定期預金の利息と並べる。「ひとつお願いがあるのですが」の前置きで聞く構えを作り、5W1Hも省かない。
おわりに原稿は骨組みだけ、紙1枚に1行ずつ
番外編は、原稿に頼らないスピーチ法。初心者は原稿を作ったあと、骨組みだけに絞る。結婚式の祝辞なら、挨拶、新郎の第一印象、失敗談、新婦への一言、締めを、1枚の紙に1行ずつ書いて、場面を頭に描きながら練習する。
緊張は、用意した通りに話さなければ、という思い込みから来る、というのが著者の見方。骨組みだけなら、言葉を忘れても場面は戻ってくる。キーワード以外はその日の気分の言葉でいいし、素直な感想ほど伝わる。1時間を超える講演も、同じやり方でいけるらしい。
もう一つは、普段の言葉で話すこと。冒頭と締めだけ丁寧にすれば、中盤はくだけていい。長崎から上京して面接を不安がる女子高生に、長崎の言葉で話して、と助言した逸話が添えてある。大阪生まれの人間としては、これはかなり心強い。
人は一人では生きられず、言葉の使い方で人生も仕事の成果も変わる。そう結んで、この本は閉じます。
LESSONS明日から使える教訓
- 話す前に、ゴールを一言で決めろ何を決めたいのか、何をしてほしいのかを先に一言にして、話が逸れたらそこへ戻す。長話の元凶の不安と自己顕示欲にも、これで歯止めがかかる。事業づくり的にいうと、自分の事業を一言で言えるかどうかが、紹介されるかどうかの分かれ目ってことです。
- 文は「。」で切り、間は2倍とれ「〜けども」でつながず、文ごとに句点で切って一拍おく。間は自分が思う2倍、相手の相づちが終わるまで次を言わない。俺的には、これがいちばん明日から効く技です。
- 結論の前に、相手の知らない前提を置け結論先行は、相手に予備知識があるときの技。新人や外部の人には、目的と全体像から見せて、作業のつながりを示す。正しい順番は、話し手じゃなく相手の頭の中で決まる。
CONCLUSION俺の結論
結論。次に誰かに説明する前に、まずゴールを一言で決める。最初の一文は「。」で切って、相手の相づちを待つ。「すごく」「かなり」は数字に直す。
中身を磨くのは、そのあとでいい。伝わらない説明の多くは、中身が悪いんじゃない。相手の頭に絵を描く時間と、置き場所が足りてないだけだ。相手が知らない話なら、結論の前に舞台を置く。
LIMITSで話す力を競技から外した俺が言うのもなんやけど、仕事の場では、この力からは逃げられない。話すのは才能じゃない。動作だ。動作なら、明日から直せる。この本は、そのための手順書です。
NEWS関連ニュース
この本のテーマについて、最近話題になったニュースです。
令和7年度「国語に関する世論調査」の結果について
文化庁が2026年3月に実施した調査で、全国の16歳以上6,000人に郵送で尋ね、3,777人が回答しました。国語に「関心がある」人は83.1%で、関心のある点としては「日常の言葉遣いや話し方」が77.0%と最も高く、次いで「敬語の使い方」が48.6%でした。
この本とのつながり:多くの人が日常の話し方に関心を持っている、という公的な調査結果です。本書が説く、短く切る、間をとる、結論と数字で話す、といった具体的な話し方の技術は、その関心にそのまま応えるものです。
FOR YOUこんな人におすすめ
- 商談や報告のあとに「で、結局なに?」と聞き返されがちな人
- 人前で話すとき、原稿を握りしめていないと不安な人
- 部下や外部パートナーへの依頼・引き継ぎが、なぜか毎回こじれる人
合わないかもしれない人:プレゼン資料のデザインや、論理構成の理論を体系立てて学びたい人。この本が扱うのは、口から出す言葉の動作とコツです。
FAQよくある質問
『相手の頭に「絵」が浮かぶように話しなさい』はどんな本ですか?
話し方教室を主宰する野口敏さんの、説明のコツの本です。聞き手は言葉を頭の中の映像に置き換えて理解している、という前提から、文を短く切る、間を2倍にとる、キーワードを強調する、結論と数字で話す、といった技術を4章で解説しています。
「保留箱」とは何ですか?
文が完結しない話を聞いたとき、聞き手がその内容をいったん保留しておく場所のたとえです。保留が重なると箱があふれ、話全体が捨てられてしまう、と本書は説明しています。
話の「間」は、どれくらいとればいいですか?
本書の目安は、自分が思う2倍くらいです。聞き手が言葉を頭の中の映像に変える時間が要るので、文ごとに「。」で区切って一拍おきます。
キーワード強調話法の具体的なやり方は?
冒頭の単語で止めて2秒ほど相手の顔を見る、重要語の前後に間を置く、重要語はゆっくり強く話してそれ以外はさらりと話す、の3つです。
話が長くなる人の原因は何ですか?
本書は、不安と自己顕示欲の2つを挙げています。不安は同じことの繰り返しに、自己顕示欲は専門的な説明の長さにつながります。対策は、ゴールを先に決めることと、相手の表情を見ることです。
結論から話せば、いつでも伝わりますか?
いいえ。本書は、相手に予備知識がない話では結論先行は通用しない、としています。相手が何を知っていて何を知らないかを意識し、本題の前に舞台設定を丁寧に話すことを勧めています。
メインテーマの決め方は?
聞き手の利益から探し、それ以外の話は切り捨てます。話がブレたら結論に戻ります。本書には、司法書士が、講演の本当の目的は無料相談会に来てもらうことだと気づく例があります。
自己紹介や、つかみはどう作ればいいですか?
自己紹介は、勤務先や趣味の羅列ではなく、ちょっとカッコ悪い失敗談を話すのがコツです。つかみは、その場の顔ぶれに共通するネタ、参加者の内心の本音、遭遇したばかりの旬の話の3つから選びます。
原稿を読まずにスピーチするには?
本書のやり方は、原稿を作ったあと骨組みだけに絞り、1枚の紙に1行ずつ書いて、場面を頭に描きながら話す、というものです。緊張は、用意した通りに話さなければという思い込みから来る、というのが著者の見方です。
この本の成果の数字は信頼できますか?
半年でメンテナンス患者が380件から520件に増えた、などの成果は著者の報告で、当サイトが検証したものではありません。参考として受け取るのがおすすめです。
MONOGENIC伊丹谷のブログから
- 正解が早すぎる社会構造正しい中身でも、届く順番を間違えると届かない。第4章の「結論先行の限界」と根っこが同じ話
- 僕のLIMITS③「プレゼンを切った理由。それは処刑に近かった」描くことと話すことは別の能力。話す力がどれだけ結果を左右するかを、逆側から書いた回
- やりたいこと実現屋自分の仕事を「抽象的なことを具現化する」とまとめた回。第3章の「例えば」とつながる
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