【広告】当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムに参加しており、本の紹介リンクから購入されると収入を得ることがあります。

クリエイティブ

見やすさはセンスじゃない。作る前に決めたルールの数で決まる。

シーンごとにマネして作るだけ!見やすい資料のデザイン図鑑森重湧太

シーンごとにマネして作るだけ!見やすい資料のデザイン図鑑

森重湧太 ・ Kindle版

Kindle版をAmazonで見る

※広告リンクです

ひとことで言うと独学で資料デザインを仕事にした森重湧太さんの実践編です。スライドマスター、基本2色、書体1種類、パーツ化の4つを先に決め、見開きの「悪い例→直した例」をマネして覚えます。社外プレゼンのシーン別28項目と技法26項目を収録しています。

INTROどんな本か

ということで、資料のデザインの話です。「センスないんで」で片づけてる人、けっこう多いですよね。

この本は、そこをばっさり否定する。見やすさはセンスじゃない。先に決めるルールで作るものだ、と。

著者は森重湧太さん。デザイン学校を出ず、独学で資料デザインを仕事にした人です。前著『一生使える見やすい資料のデザイン入門』が基礎編で、2021年12月にインプレスから出た本書は、現場の作例を並べた実践編という位置づけ。

作りが徹底している。見開きに「悪い例→直した例」を並べ、問題点3つと改善点3つに番号を振る。読む側は、それをマネして作るだけ。上達の手順まで、トレース、理由の理解、何も見ずに作る、繰り返す、未知の型に挑む、の5段階で決まっています。

芯は、最初に決める4つ。スライドマスター、色は基本2色、日本語の書体は1種類、パーツ化。そのうえで余白をとり、1スライド1メッセージにする。飾りから入ると、だいたい崩れる。

俺の本業はデザイナーで、2021年には、仮に納品物がロゴでも、なぜそのデザインを発注しているのかから取り掛かる、と書いた。見た目は最後で、目的が最初。この本が「センスより情報設計」と言い切るのは、まさにその順番です。

もうひとつ地味に大事なのが、ヒアリングの項。利点を並べるだけでは押し売りになるから、先に質問を置け、と。俺が「正解が早すぎる社会構造」で書いた、正しい答えも早すぎると届かない、という話を、資料の1枚でやっている。

効くのは、PowerPointで提案資料を作ることが多い人、センスがないと思い込んでいる人、チームの資料の見た目をそろえたい人。読むと、直すべき場所が「言葉で」見えるようになります。

前提はWindows版Microsoft 365のPowerPoint。KeynoteやGoogleスライドが中心の人は、操作の説明を読み替える必要があります。

センスは、ルールのあとからついてくる。この本は、そのルールを先に渡してくれる。

CHAPTERS章ごとの中身

はじめにセンスより情報設計、上達は5段階

本書の主張は、デザインにセンスは不要で、マネを重ねればコツはつかめる、というもの。資料の目的は情報を正しく伝えることだから、効くのはセンスより情報設計。著者自身、デザイン学校を出ておらず、先輩のいない状態から独学で仕事にしたそうです。

冒頭で、よくある4つの失敗が対比されます。説明だけで終わる、図解が頭に入らない、数値を表と文で済ませる、ビジネスモデルが伝わらない。直し方は順に、アイコン化、流れの単純化、グラフ化、モノと流れの図示。

上達の手順は5段階で、トレースで目に焼きつける、解説で理由を理解する、同じ場面なら何も見ずに作る、繰り返す、未知の型に挑む、と進む。各項目は見開きで「悪い例」と「直した例」を並べ、問題点3つと改善点3つに番号を振る型で統一されている。作例の社名は架空です。

トレースから入れ、というのは、絵の世界でいう模写と同じ発想。マネを恥ずかしがらない人から、うまくなる。

第1章作る前に決める7つの道具

1つ目はスライドマスター。新規作成からいきなり作ると、仕上がりも時間も安定しない。先に見出しと本文の書体、サイズ、行間、色、強調方法を決めておく。2つ目は余白ゼロをなくすこと。要素どうしが接している所を探して最低1文字分あけ、関係が薄いものは3〜4文字分離してグループを見せる。余白がないと、空きが別の所に偏って、余計な飾りを足したくなる。行間も余白の一部です。

3つ目は、日本語の書体を1種類にすること。書体が増えるほど意図しない強弱が出るので、強調は太字と色だけ。4つ目は、色を色相環で選ぶこと。白背景と黒系の文字を除いて、使う色は基本2色。メインは企業色など色相環の端を避けた色で、アクセントはその反対側から選ぶ。

5つ目は1スライド1メッセージで、スライド全体と各フレーズの2段階で絞る。6つ目は使う場所で変えること。紙や画面で読む資料は最低11〜12pt、会場で映す資料は18pt以上。画面の下半分は人の頭で隠れるから、要素は大きく上寄せにする。これ、意外と知られていないと思う。

7つ目がパーツ化。装飾を自由にしすぎると素人っぽくなって、重要度も分からなくなる。よく使う形を書き出す、重要度ごとの色を決める、他人が再現できる注記を残す、の3段階で、写真の切り抜きやアイコンのタッチ、線の種類まで決めておく。

7つのうち4つが「作る前に決めること」なのがミソです。化粧品のパッケージとブランディングを担当していた身からすると、レギュレーションを先に決めるのは基本中の基本。迷う時間は、だいたいルール不足のサインです。

第2章前半表紙と見出し、売り込まず質問から

第2章はシーン別の図鑑で、28項目。表紙は、中身をそのまま題にせず、受け手が得をしそうな前向きな言葉にする。記憶に残る絵柄(キーデザイン)を入れ、年度や日付、著作権表記は削る。そのほうが更新も楽。会社情報は、Webからの貼り付けだと余白が偏り、ロゴは小さく、枠線は重い。ロゴを大きく、枠線を外して項目名を太字・色付きにし、四辺の余白をそろえる。

1フレーズの項は、短いキャッチ(骨)と補足(肉)に分けるのがコツ。キャッチは単語4つまでで、型は「どのように+何を」か「誰のため+何を」の2つ。研修名の言い換え例が14組載っていて、ここだけでも元が取れる。

ヒアリングの項は、利点を並べるだけでは押し売りになる、という指摘が核です。SPIN話法の考え方で、先に質問を置いて相手に課題を考えさせ、段階的に深掘りしてから利点を示す。発展形は、魚の骨の図で課題を洗い出し、自社で解ける部分だけ色を残して他を薄くする。

俺が「正解が早すぎる」で書いたのも、同じ順番の話。正しい答えでも、相手の頭が整理される前に出すと、人は守りに入る。1枚目から利点を並べた提案書が刺さらない理由は、だいたいこれだと思う。

特長の項では、「特徴」ではなく「特長」を書く、見出しに社内用語を使わない、日数や金額などの数字を入れる。競合比較は、表に文を詰めず○△×で記号化し、自社の列をメイン色で塗る。他社の良い点も認めると信頼が増す、というのが著者の見方です。

第2章中盤グラフと図解に結論を一言添える

ポジショニングマップは、軸と円を置くだけだと解釈が読み手任せになる。自社だけ着色し、上と右を「高い・多い」にして、各要素に一言の解説を添える。円グラフは、売り込みなら自社だけ着色して他はグレー、中立の報告なら各社を色分けしてどこも強調しない。公平さが崩れるから。目的で強調の有無を切り替える、という整理はかなり大事です。

図解の本質は「もの」と「流れ」。上から下か左から右に、四角と矢印の2種だけで組み、要所だけ塗る。ビジネスモデルは、ヒトはアイコン、モノは矢印に乗せて1枚にまとめる。アイコンは探すより、円や四角で自作したほうが早いそうです。

課題は「現状・課題・目標」の3列にして、課題を差分として中央に置く。数値は、表と文だけでは注目点も量感も伝わらないので、注目期間だけ着色して倍率を吹き出しで示し、タイトルを結論の一文にする。市場規模は起点と終点を強調して期間と倍率を書き、予測値は点線や薄い塗りで区別する。

予算と実績は、予算は未確定なので薄く、実績は濃く。赤は赤字やNGを連想させるので避ける。差分はウォーターフォールにして、年間の差を点線と数値で見せる。

一言でいうと、強調は1点に絞り、色と向きの意味を直感に合わせる。濃い=実在、薄い=予定、上と右=増加。読む人に解釈させない。それがこの章の芯です。

第2章後半実績・工程・組織図・SNS画像

ランキングは、社内向けなら降順の横棒に顔写真で、1位だけ濃色。社外向けに1位をアピールするなら、実グラフを図形でなぞって高さを保ったまま、自社だけ色とロゴを付け、他社はグレーにする。導入企業のロゴ羅列は、知名度頼みで社数も伝わらないので、トップと言える業界で区切って社数を明記する。利用者の声は、主役は写真でも社名でもなく本文。

スケジュールは、顧客向けならガントより一本の流れにして、相手のタスクを色で示す。採用フローは、同時進行に見えるガントをやめ、段階数と各段階の中身、準備物を示して応募者の不安を減らす。組織図は線だけの図をまねせず、塗り図形でグループ化する。

章の終盤は、見せるための画像づくり。表彰スライドは、背景をメインカラーを暗くしたグラデーションに、枠と名前をゴールド調にそろえる。金色は既定にないので、橙寄りの黄色を明度差で濃淡にすると光沢が出る。ブログのアイキャッチもPowerPointで足りて、基本形は色地に大きな白丸、中央に題名。

SNSは、カバーを比率3:1に合わせ、左下のアイコンに重ならないようガイド線で配置する。アイコンは、余白のないロゴだと丸く切り抜かれて欠けるので、正方形に二重円のガイドを作って内側に収める。パワポでここまでやるか、と思うけど、やれるんですよね。笑

第3章書体・文章・表・矢印に強弱の規則

書体の基本はゴシック体。かなが大きめの書体ほど読みやすく、太いゴシックは見出し向き。雰囲気を出したい資料なら、上品さは明朝、親しみは丸ゴシックと使い分けるが、場所と量は絞る。両立型の候補は、游ゴシック、ヒラギノ角ゴ、Noto Sans CJK JP、M+ FONTS。英数字は、和文と大きさ、字幅、太さが近い書体を選ぶ。

強調は、資料全体を見渡して段階を決める。見出しは太字、小さい本文の強調は下線+色。長文を中央揃えにすると、行頭がばらついて視線が疲れる。逆に、一言のメッセージは中央に置いて、上下左右の余白を均等に(20字以内が目安)。視線は左上から右下へのZ型、親子関係のある情報はF型で読ませる。

文章面では、「急増」「劇的」のような誇張語は期待を上げすぎて怪しく見えるので、実数と期間を示せ、と。仕上げは、文調を決める、それに沿って書く、削って整える、の3ステップ。デザインの本なのに、ここは完全に文章術です。

表は、数字を枠で囲まず、太字と文字色、セルの薄い塗りで目立たせる。比較表は既定の罫線を消して余白を広くとり、推したい列に色、不可はグレーアウト。矢印は、線は1pt程度で先端は最大、基本はグレーで、意味のある流れだけ色付け。吹き出しは「角丸四角形+小三角」で自作する。

囲む、飾る、ではなく、減らして太さと色で差をつける。引き算で中身を立てるのは、どのデザインでも共通の筋だと思う。

第3〜4章配色は濃淡で、道具は先に設定

素材の話から。囲み枠は、線の太さと角の丸みで印象が決まる。文字そのものには影を付けない(例外は写真上の文字)。写真は人物の服装が業種に合うかで選び、アイコンは同じサイトや作者から集めて、色をコードで統一する。真っ黒は素人っぽく見える。

配色は、文字は黒か白が基本。黄色や明るい緑は、塗りなら良くても枠線だと見えにくく、メインカラーには向かない。コーポレートカラーを軸に、明度を上げ下げした同系色をサブカラーにすれば、迷わず統一感が出る。色設定をHSLにして数値で動かし、スライドマスターの配色に登録すれば、濃淡は自動で作られます。会社の色が黒なら、メインはグレーにする。

第4章は作業効率。スライドマスターは、最上段の「親」が全ページに効き、その下の「子」はレイアウトごとで他に影響しない。プレースホルダーを置けば、表紙の部署名や氏名欄の位置と書式が毎回そろう。クイックアクセスツールバーには、位置揃え、等間隔の整列、スライドマスター表示の開閉、トリミングと反転・回転を登録しておく。

巻末の配色早見表は、系統別に「白ベース+メイン+アクセント」の3色セットを載せ、黄、山吹、赤はメインに据えずアクセントに回す、という注記が要点。特典データ(個人利用限定)には、作例のパワポや余白の目安シートが付きます。

俺的には、この地味な第4章が、結局いちばん効く章だと思う。ルールを仕組みに入れてしまえば、毎回の判断が減る。

LESSONS明日から使える教訓

  1. 共通テンプレートを作って配れスライドマスターに、会社の色と濃淡、書体、表紙の部署・氏名枠を登録して、チームに配る。ルールを先に仕組みに入れれば、誰が作っても見た目がそろいます。
  2. 見出しは「何ができるか+数字」見出しは名詞で終わらせず、結局どうなるかが分かる言葉にする。「急増」「劇的」は、期間つきの実数に置き換える。クリエイティブ的にいうと、形容詞は数字に翻訳してから使え、ってことです。
  3. 強調は1点、ほかはグレー全部を目立たせると、何も目立たない。比較表も罫線を消して余白をとり、推したい列だけ色を付ける。ただし公平さが要る報告では、強調しない。俺は、この使い分けまで書いてあるのが誠実だと思う。

CONCLUSION俺の結論

結論。次に資料を作るときは、1枚目に手をつける前に、スライドマスターを開け。色を2色、書体を1種類。それだけ決めてから作り始める。

できあがったら、要素どうしがくっついている所を探して、1文字分あける。強調が2か所以上あったら、1つに減らす。グラフには結論の一文を添える。

センスは、ルールのあとからついてくる。飾りを足したくなったら、たぶんまだルールが足りていない。迷う時間を減らすこと自体が、いちばん効くデザインです。

FOR YOUこんな人におすすめ

合わないかもしれない人:MacのKeynoteやGoogleスライドが中心の人。操作の説明は、Windows版PowerPointが前提です。

FAQよくある質問

『見やすい資料のデザイン図鑑』はどんな本ですか?

独学で資料デザインを仕事にした森重湧太さんによる、2作目の実践編です。見開きで悪い例と直した例を並べ、社外プレゼンのシーン別28項目と技法26項目を収録しています。

前著『一生使える見やすい資料のデザイン入門』との違いは?

前著が基礎編で、本書は現場の作例を並べた実践編です。先に基礎を読むほうが分かりやすい構成ですが、本書だけでも、ルールの章から読み始められます。

センスがなくても、見やすい資料は作れますか?

本書は、見やすさはセンスではなく、先に決めるルールで作る、という立場です。スライドマスター、基本2色、書体1種類、パーツ化の4つを決めてから作ります。

資料に使う色は、何色がいいですか?

基本は2色です。色相環で、メインと、その反対側のアクセントを選びます。黄・山吹・赤はメインにせず、アクセントに回します。

文字サイズはどのくらいが目安ですか?

紙や画面で見る資料は最低11〜12pt、会場で投影する資料は18pt以上が目安です。画面の下半分は人の頭で隠れるので、要素は上寄せにします。

余白はどう取ればいいですか?

要素どうしが接している所をなくし、最低1文字分あけます。関係が薄いものは3〜4文字分離して、情報の関係を余白で示します。

グラフを見やすくするコツは?

グラフのタイトルを結論の一文にして、期間・倍率・要因を一言添えます。凡例や目盛りは削り、ラベルを要素に直接付けます。

上達するための練習方法は?

トレース、解説で理由を理解、何も見ずに作る、繰り返す、未知の型に挑む、の5段階です。出版社サイトの作例パワポが、トレース用に使えます。

この本は、MacやGoogleスライドでも使えますか?

デザインの考え方は共通ですが、操作の説明はWindows版Microsoft 365のPowerPointが前提です。ショートカットや画面は、お使いの環境に読み替える必要があります。

MONOGENIC伊丹谷のブログから

ご注意:前提はWindows版Microsoft 365のPowerPointで、2021年12月時点の内容です。操作画面やショートカットは、お使いのバージョンで異なる場合があります。

Kindle版をAmazonで見る

本文は書き写さず、自分の言葉で紹介しています。内容に誤りがあれば、本でご確認ください。 当ページのリンクはAmazonアソシエイト(広告)です。詳しくは広告について。

SIMILAR似たテーマの本