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社会

正解を急がない。2020年を、決めきれないまま毎週考えた記録だ。

Weekly Daen-Mondo: Labyrinth of Corona若林 恵+Quartz Japan

Weekly Daen-Mondo: Labyrinth of Corona(週刊だえん問答 コロナの迷宮)

若林 恵+Quartz Japan ・ Kindle版

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ひとことで言うと編集者・若林恵さんが、米Quartzの特集を素材に、コロナ下の2020年4月から10月まで毎週1テーマで書いた仮想対談27本と、オードリー・タンとの対話をまとめた本です。医療、宅配、会議、供給網、香港、大学、データまで、海外の論点を日本に裏返して考えます。

INTROどんな本か

ということで、2020年。あの頃の空気、覚えてますか。毎週のように前提がひっくり返って、何が正しいのか誰にも分からなかった。

この本は、その真っ只中で毎週書かれた連載の記録です。編集者の若林恵さんが、米Quartzの特集〈Field Guides〉を素材に、1回1テーマで書いた仮想対談。編著は若林恵とQuartz Japan、版元は黒鳥社。2020年4月から10月までの全27本に、オードリー・タンとの対話と、あとがきが付きます。

聞き手はQuartz Japan編集長、答えるのは若林さん。体裁は対談ですが、実は若林さんが両方を書いている。いや、一人二役かい。笑

毎週土曜の夕方に特集を読んで、構成なしで5〜6時間で一気に書く、即興の連載だそうです。週刊連載でいちばんつらいお題探しを、Quartzに頼る仕組みで解決した、とも。

タイトルの「だえん」は、楕円の焦点が二つ(日本と海外)あることと、対談に二人が登場することから。陣営を迫られる時代に、決めきれない考えをそのまま出せる形式として選ばれた。米国ローカルな話でも「なぜ日本では問題にならないのか」を考える、という姿勢が全編を貫いています。

俺は2026年に、海外の音楽と現代アートの業界紙から兆しを拾って、出典つきで日本語にする情報サイトAndownを作った。決めたのは、予言はしない、煽らない、判断は読者に委ねる、くらい。海外の記事を素材に、日本語で、日本の側から読み直す。やっていることの根っこは近いと思う。

序文で若林さんは、自分の仕事を「編集」、つまり情報を選び並べて筋道をつくることだと定義します。#1の前置きでは、メディアの価値は「論点」を示すことだ、とも。速報でも正解でもなく、論点。この本の立ち位置は、そこにあります。

効くのは、リモートや会議、組織の意思決定、データの扱いのヒントを探している人。2020年の出来事を、いまの目でもう一度振り返りたい人。テーマが毎週変わるので、気になる回だけ拾い読みしても成り立ちます。

各回の主張は若林さんの見立てで、事実や数字は当時の記事の紹介です。そこを前提に、当時の答え合わせとして読むのが、いまいちばん面白い読み方だと思う。

CHAPTERS章ごとの中身

序文・#1〜#2クラファンと宅配に見る公共の限界

本書は、2020年4月から10月まで続いた週刊連載の単行本化です。毎回の素材は、米Quartzの特集〈Field Guides〉(毎週1テーマで記事5〜10本を束ねたもの)。

#1の前置きが、この本の読み方を決めています。メディアの価値は「論点」を示すこと。扱う「対象」と「論点」を分けて読め、と。肉の記事でも、論点は雇用や食文化かもしれない。

#1の本題は、コロナ下で増えた医療費のクラウドファンディング。本来は新事業の資金集めという商業の仕組みなので、教育や医療を載せると公平性が崩れ、「誰を助けるか」の判断が重すぎる、と論じる。窮状を語る力や道具、人脈は平等ではなく、人種や性別で集まる額に差が出る。米国は皆保険がなく、骨折の入院で2000万円の請求が来ることもある。一方で、学校やNPOなど間接の主体が実績を示して募るなら、行政の限界を補う仕組みになりうる、と整理します。

#2は宅配です。アベノマスクから郵便の話に入り、グレーバー『官僚制のユートピア』を引いて、近代国家のOSは全員に一律に届ける「配給型」だと言う。コロナで「届けること」が生活の土台だと再確認されたのに、担い手には保障も敬意もない。ギリシャの配達員は、危険と蔑視の中で働いている。頼むのが倫理的かを個人が悩んでも意味はなく、政策や法の層で解くべきだ、と結ぶ。

個人の良心で解こうとすると、だいたい自己責任論に化ける。この見立ては、2020年に限らず使えます。

#3〜#5ビルドからフィットへ、会議は目的から

#3のホームフィットネスで、本書の標語のひとつが出てきます。「ビルド」から「フィット」へ。ビルドは満点からの減点で優劣を競うので、欠点ばかり見てしまう。フィットは自分に合うことが基準で、物差しは人の数だけあり、競争が消える。ヴォネガットの言葉を引いて、フィットネスとは日々変わる体の手入れで、農業や庭仕事に近い、と。在宅化はコロナ前から進んでいて、1977年の家庭用ビデオ登場とジェーン・フォンダの教則ビデオが画期だった、という歴史も添えられています。

#4のビデオ会議では、「Zoom疲れ」を手がかりに、Zoomで続けると会議自体が要らないと気づく、という指摘が出る。発言は数人で、話し手と聞き手が分かれている。儀式としての会議は、オンラインに向かない。在宅で光熱費や通信、機材まで自腹になる「コストの外部化」にも釘を刺す。結論は、会議には情報共有・決定・協議・儀式の目的が混ざっていた、毎回目的を定め、重要な決定は少人数、聴くだけなら録画、という使い分けです。

俺も2021年の連載で、Zoomはリアルのコミュニケーションの代用ツールじゃない、肝心なのは何を目的にどういう手段で使うかだ、と書いた。馬に車輪をつけても、車にはならない。#4の結論とは、ほぼ同じ場所に立っていると思う。

#5のグローバルトレードは、供給網の脆さの話です。米国の食肉は上位4社が8〜9割を占め、工場が感染拠点になると代わりがない。一極集中は効率的だが脆い。熊谷晋一郎さんの「自立とは依存先を増やすこと」が引かれる。緊急時の調達でいちばん大事なのは透明性で、在庫や経路が見えれば買い占めの不安が減る。処方箋は、工場を下請けでなくパートナーとして扱い、直線的な「チェーン」から、迂回や伸び縮みのきく「サプライネットワーク」へ移ることです。

#6〜#10期待値のビジネスと、危機に強い国の速さ

#6は、Netflixを「期待値のビジネス」と呼ぶ回です。データ解析で作るドラマは凡庸になりがちで、過去への最適化は新しさを生まない。強みは、むしろドキュメンタリー(『タイガーキング』)にある。フランスが重要なのは「クリエイターの市場」だから。作り手の信頼、つまり創作の自由が生命線だ、という見立て。百貨店やレコード店に固有の色があったように、偏りこそが個性になる、という話も出てきます。

#7では、台湾・韓国がSARSやMERSの訓練を積んでいたこと、アフリカもHIVやエボラの経験があり、ウガンダが即時に空路を止めたことを挙げる。うまくいった国の共通点は対応の速さ。日本の「民度」や「日本モデル」は再現性がなく、他国が学べない、と批判します。

#8のZ世代は、当事者性のない便乗の難しさから入る。日本のメディアは受け手のリテラシーを低く見て「わかりやすさ」に逃げ、複雑さを隠した結果、陰謀論を招く。ただ、過剰な期待は危うく、彼らも前の世代の道の上にいる、と結ぶ。

#9のサイエンスの受難では、社会は都合のよいエビデンスしか受け入れない、研究の方向は資金を出す側が決める、と指摘。「役に立つ研究」だけに投資すると、原理的に未知に備えられない。資金配分を抽選にする案も紹介されます。

#10の化石産業では、デンマークのØrstedが化石燃料撤退を前倒しして企業価値を大きく上げ、衰退した造船業の人と設備を風力産業へ移して、失業を増やさなかった例が出る。産業の転換は、人と設備の移し替えまで含めて設計して、初めてうまくいく。

再現性のない「民度」からは、誰も学べない。速さは、平時の訓練の量で決まる。この指摘は、国だけじゃなく組織にもそのまま当てはまる。

#11〜#15選挙は福袋、組織に足りないのは聞く力

#11は、都知事選に投票しても手応えがない理由から。選挙は多くの政策を一人の候補に束ねた「福袋」を選ばせる仕組みで、論点ごとに賛否が分かれる有権者には合わない。都市の「We」は移動手段で分かれる。決定的な違いは、移動の時刻を自分で決められるかどうかで、ハンコ出社をなくせば変わる、と。

俺は2021年に選挙の話で、正直誰に入れていいか分からない、それでも大事なのは誰に入れるかではなく無関心にならないことだ、と書いた。手応えのなさの正体を「福袋」という仕組みで説明されると、少し腑に落ちる。

#12と#13は、重い回です。ネット中傷による若い出演者の死を受けて、若林さんは、法整備やプラットフォームの責任追及は必要だが、タレントで稼ぐ事務所や業界が本人を「自己責任」でSNSに放置しているのは経営の欠陥だ、と書く。加害者も自分を弱者と感じる孤独な人が多く、SNSリテラシーではなく、メンタルヘルスの問題として扱うべきだ、と。調査では、うつ・不安の経験率が一般成人26%に対して、独立系ミュージシャン73%という数字が紹介されます。

#13では、上が「声を上げて」と言っても響かない理由を、「混浴温泉問題」にたとえる。名目は混浴でも、実態が男湯なら女性は入れない。社会は「話す」ことばかりに投資して、「聞く」訓練をしてこなかった、というのが処方の入口です。

#14は、台湾モデルを、マスク在庫の可視化の実績に加え、中国モデルに対する「民主的モデル」という政治的メッセージとして位置づける。中国は「China Standards 2035」で次世代技術の標準を握ろうとしている、侮らず学ぶべきだ、とも。#15は高齢者ケア。「金がないから切り捨て」の前に、稼ぐ・かけない方法を考えよと言い、小さな家を村のように集める「Green House Project」や異世代ホームシェアを紹介する。珍しく前向きに終わる回です。

#16〜#20無意味な仕事と、巨大市場という罠

#16は、巨悪への不信から生まれた代替案が、新たな巨悪になりうる、という循環の話。大麻業界で「大麻のスタバ」を目指す企業が台頭し、ビール業界のような寡占化が進む懸念が語られる。

#17のオフィスは、グレーバー『ブルシット・ジョブ』が軸。ケインズは1930年に短時間労働を予言したが、技術は無意味な仕事を増やすのに使われた。リモート下の頻繁な点呼やPC監視も、新種の無意味な仕事の温床になりうる。結論は、オフィスは人間らしさを確かめる文化空間になりうる、というものです。

#18の香港では、本当の弱みは経済だ、と語られる。国内市場が伸びない国ほど中国依存が深まり、強く出られない。14億人市場そのものが巨大な罠、というのが要旨です。香港の若いラッパーが「地元では誰も音楽を聴かない」と語った、という若林さんの取材体験も添えられる。結果、香港は生活空間や文化空間ではなく、金融空間だけが拡張している。文化を放置すると、後でしっぺ返しを食う。

#19の大学は、定員という希少性で成り立つ事業が、オンライン化で意味を失い、勝者総取りになる、という話。加計学園問題を教育の話として読み直しつつ、小さく試せる「サンドボックス」の発想自体は新規事業に必要だと認める回でもあります。

#20のバブルでは、「株価は経済ではない」というクルーグマンの論考を紹介し、コーツ(ケンブリッジ)の研究から、隣人の儲けへの嫉妬がテストステロンと万能感を高める、と説明する。女性や高齢男性は抑え役になるので、市場には多様性が要る、という点も挙げられる。

#21〜#24予測は幅で語り、チームは信頼で回す

#21は、デジタル庁の話から。デジタル政府の要は信頼で、データは市民を丸裸にするので、まず政府が透明になるべき。そのうえで、米IARPAの「FOCUS」がゲーム『シヴィライゼーションV』で反実仮想を研究した話に入ります。予測上手の共通点は、数字に強い、類似事例から見る「外からの視点」、反証を探す、複数の理論を見比べる、の4つ。

自信過剰は「バイアスの母」で、幅で答える5問テストで、若林さんも2問しか当たらなかったそうです。対策は、知識を増やすことではなく、具体化・数値化・確率で語ること。最後に「失敗したらどう説明するか」を先に考える手順も出てくる。いまの指導者に要るのは、弱さに正直であること、と言い切る。正論で数多の失敗をしてきた俺としては、ここがいちばん耳が痛い。

#22の広告は、「好感度」に縛られたメディアの話です。「好感度」「露出」は本来広告代理店の物差しで、メディアの物差しは面白さのはず。米国は番組が先、広告は後が原則で、広告過多で『シンプソンズ』が放送開始時より約2分短縮された例もある。デジタル時代は発信と行動の一致が問われる、という結論です。

#23では、家と仕事の分離が一般化したのは19世紀後半で、それ以前は職住一体が普通だった、という歴史が出てくる。「家族第一」も20世紀的な物語ではないか、と。#24は、官僚制は信頼に頼らずに回るよう設計された機械だが、コロナでオフィスという枠が溶けた、と書く。INSEADのモーテンセンは、信頼を「自分をリスクに晒す意欲」と定義する。相手の事情を知り、役割・期限・ルールを「ガードレール」として透明に置く。

#25〜#27データの価値は目的とインサイトで決まる

#25のデータの洪水は、相関で予測できれば十分とする統計モデル派と、因果の説明を求める伝統的科学の対立として整理されます。アスピリンは1899年開発で、仕組みの解明は60年以上後。経験的な統計が先行し、因果が後を追う循環で、両方が必要だと言う。データの価値は目的とインサイトで決まり、データ自体は溢れていて希少性はない。『マネー・ボール』の出塁率の再発見のように、革新はインサイトに宿る。

「炎上参加者は実は高年収」という記事を例に、データは取る側の仮説次第で意味を失う、という指摘もある。見出しの論点に引きずられず、差の大きさを確かめる。地味だけど、毎日ニュースを読む人ほど必要な筋力です。

#26のコンサルでは、完成予想図から逆算する作品主義では思考が止まる、と言う。「いまやれること」からのプロセス重視へ。「コト消費」も実態は体験型のモノ消費で、本来のゴールはモノを通じて起きる変化、つまりアウトカムだ、と。企業を変えるにはまず人が変わる必要があり、経営層にコーチングが要る。著者自身が「パワハラだ」と指摘されて反論した失敗談も、隠さずに書かれています。

#27のポッドキャストは、「ながら聴き」だけでは説明できない、という回。通勤が消えてもダウンロードは増えた。英国の研究では、嘘を見抜く率がTVより音声で高い。音声はスクリーンがなく空間に直接届く没入型で、信頼性とは客観性ではなく、話し手の振る舞いを察知することだ、と論じる。ラジオ好き、トーク好きの俺としては、この回はほぼ全面的に賛成です。笑

特別収録・あとがきオードリー・タンと「新しい習慣」

特別収録は、2020年4月公開の対話です。台湾のマスク配布は、健保カードで薬局購入(1.0)から、ネット予約・コンビニ受け取り(e-mask)へ。健保署が在庫データを数分ごとに公開し、市民が地図アプリを作った。デマ対策は「Humor over Rumor」とLINEの犬ボット、毎日の会見中継です。

DXは変換でなく「増幅」で、効率化は雇用削減でなく包摂。3原則は、自発的協働、徹底した透明性(会議・取材を全公開)、場所からの自由。高齢者には安価な4G定額とビデオ通話を用意し、リテラシーではなく、誰もが作り手になる「コンピテンス」を目指す。デジタル化は面倒な手作業から、という順番も実務的です。2016年に35歳で最年少閣僚になった人の言葉です。

あとがき「新しい習慣」(日付は2020年11月16日)は、不確実性が常態の時期に書かれている。ニューノーマルとは、予測不能な世界で生きる術を身につけること。宇野重規『民主主義のつくり方』のプラグマティズムを引き、個人の信念が習慣となり、模倣で広がり、社会がそれを選び取る。誰も全体を計画できないからこそ機会がある、と結ぶ。

成果を自分で刈り取ろうとする癖が、最もよくない。この最後の一文が、本書の芯だと思う。種をまいて、育てるのは他人に任せる。決めきれないまま毎週書き続けた連載そのものが、その実践でした。

LESSONS明日から使える教訓

  1. 会議は毎回、目的を一つ決めろ情報共有・決定・協議・儀式のどれかを決め、人数と同期か非同期かを使い分ける。聴くだけなら録画にする。クリエイティブ的にいうと、打ち合わせにも企画書みたいに「狙い」を一行書け、ってことです。
  2. 予測は一点でなく、幅と確率で語れ重要な判断は代替案を並べて順位をつけ、失敗した場合の説明を先に考える。リーダーが「わからない」と言えることも大事だとされる。俺的には、この「わからないと言える」がいちばん難しいと思う。
  3. デジタル化は、壊さずに増幅しろ面倒な手作業から始め、小さく試して成功例を共有する。役割・期限・ルールは明文化して、ガードレールにする。リモート化するなら、費用負担と評価方法も先に明示しておく。

CONCLUSION俺の結論

結論。ニュースを読んだら、まず「対象」と「論点」を分けろ。肉の話に見えて、論点は雇用かもしれない。

そのうえで、海外の話を日本に裏返してみる。なぜ日本では問題にならないのか。そこに、だいたい次の論点が埋まっている。

答えは急がなくていい。決めきれないまま考えを出して、また来週考え直す。そうやって考え続けること自体が、予測できない世界での習慣になる。2020年を毎週そうやって通り抜けた記録が、この本です。

NEWS関連ニュース

この本のテーマについて、最近話題になったニュースです。

国土交通省 ・

テレワーク実施率、安定基調で推移(令和7年度のテレワーク人口実態調査結果の公表)

国土交通省の令和7年度調査で、直近1年間のテレワーク実施率は16.8%と、前年度から1.2ポイント増えました。雇用型就業者のうち、テレワーカーの割合は25.2%で、0.6ポイントの増加です。コロナ禍後は減少が続いていましたが、増加に転じ、安定基調と評価されています。調査は2025年10月にWEBで行われ、有効サンプルは40,000人です。

この本とのつながり:本書の前半は、ビデオ会議の混線やホームオフィスの含意など、リモート化の初期の論点を扱っています。コロナ後も一定の割合でテレワークが定着していることが、数字で確認できます。

FOR YOUこんな人におすすめ

合わないかもしれない人:コロナ対策の最新の事実を知りたい人。これは2020年当時の時評集です。

FAQよくある質問

『週刊だえん問答 コロナの迷宮』はどんな本ですか?

編集者の若林恵さんが、米Quartzの特集を素材に、コロナ下の2020年に毎週1テーマで書いた仮想対談27本と、オードリー・タンとの対話をまとめた本です。版元は黒鳥社です。

「だえん」とは何ですか?

楕円には焦点が二つあります。日本と海外という二つの焦点と、対談に二人が登場することに由来しています。

「仮想対談」とはどういう形式ですか?

聞き手と答え手の対談の体裁をとりながら、実は若林さんが両方を書いている形式です。決めきれない考えを、そのまま出すために選ばれたとされています。

連載はどのように書かれたのですか?

毎週、米Quartzの特集〈Field Guides〉を土曜の夕方に読み、構成なしで5〜6時間で一気に書く、即興の連載でした。

どんなテーマが扱われていますか?

医療のクラウドファンディング、宅配、ビデオ会議、グローバルトレード、メンタルヘルス、香港、大学、意思決定、データ、ポッドキャストなど、全27テーマです。

Zoom疲れの正体は何だと書かれていますか?

会議の目的(情報共有・決定・協議・儀式)が混ざっていることだと指摘しています。目的を決め、人数や同期・非同期を使い分けることが勧められています。

オードリー・タンとの対話では何が語られますか?

台湾のマスク在庫の可視化、市民セクターとの協働、DXは変換でなく「増幅」であること、3原則(自発的協働・徹底した透明性・場所からの自由)などです。

あとがき「新しい習慣」は何を言っていますか?

社会の変化は計画ではなく、習慣の伝播で起きると述べています。ニューノーマルとは、予測不能な世界で生きる術を身につけることだとも書かれています。

今読んでも役に立ちますか?

役に立つ部分があります。会議の目的設定、リモートチームの信頼、データ活用の考え方などは、時期を問わず使えます。一方、2020年当時の状況の記述なので、現在とは違う点があります。

この本の注意点はありますか?

各回の主張は若林さんの見立てで、断定ではありません。事実や数字は当時の記事の紹介のため、現在の状況は別途確認が必要です。

MONOGENIC伊丹谷のブログから

ご注意:2020年のコロナ下の時評集です。各回の主張は若林恵さんの見立てで、事実や数字は当時の記事の紹介のため、現在とは違う点があります。自死や政治家など実在の人物や事件に触れる回があります。つらい気持ちのときは、相談窓口に話してください。表紙のレーベル表記や固有名のカナ表記など、一部の表記は確認できていません。

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